取締役を1人にしたい

株式会社、取締役を1人にしたい!

のであれば、

会社機関の設計変更をしましょう

 

株式会社の機関・役員とは

 

一昔前は、株式会社には、

・取締役(複数人・3人以上とか)
・監査役
・代表取締役がいて、
・取締役会が業務執行についての意思決定機関でした。

現在では、
株主総会だけは最高意思決定機関として存在していますが
それ以外については、
取締役さえ一人いれば、それだけで
OKです

 

いろいろ機関を増やしたいということであれば、
監査役会とか、会計監査人とか、
指名委員会とか、執行役とか、
覚えきれないくらいと言うかよくわからないくらいにいろいろあります。
ですが、
これらはほとんど大会社の設計であって
周りを見てもこれらをフルに備えた
一般企業はほとんど見かけることはありません。

 

思えば、当職が開業した頃は、
シンプルなもので、
取締役、監査役、取締役会、代表取締役
これだけ。

それから20年以上が経過し、
複雑な会社はさらに複雑に進化し、
シンプルな会社はさらにすっきりと進化し

というように会社制度は変更に変更を重ねて今に至ります

 

現在、設立するなら

 

現在、株式会社を設立するには、
取締役が一人(この方が代表取締役です)
いれば、問題ありません。
監査役も不要です。

よって、もしも1人の取締役であれば
当然、取締役会も存在しません。

登記をすると、
会社の役員欄という項目がありますが
そこには、


取締役   片山りえ

代表取締役 千葉県茂原市上野林18番地4
片山りえ


というように、一人の取締役兼代表取締役だけが登記されることになります

監査役という欄も作成されていません

 

以前に設立した会社

 

しかし、以前は、
3人以上取締役が必要だった時代もあり
その頃に設立された株式会社等は、未だに
3人以上の取締役がいて、
取締役会が設置されていて、監査役がいて
という感じになっていることが多いかもしれません。

これを、取締役一人にするのは、
株主総会を開催して、
いろいろ定款変更の旨の決議さえできれば
可能です。

装備を軽くして新しい時代に備える、
そんな感じでしょうか

 

取締役を1人にしてみた

 

取締役が一人だと、その方が
代表取締役となります

 

株主の意向もあるでしょうが、
業務執行は代表取締役一人でできます。

何か事を起こすたびに取締役会を
招集する必要はありません。

 

ご注意ください
これらは有限会社の場合と異なります
有限会社だと、取締役が一人のときは、
代表者であっても、登記上は単なる取締役
として登記されます。
代表の文字はどうがんばっても付きません
代表取締役として登記したいときは、
もう1人取締役を選任した上で、
代表取締役として就任する必要があります
状況によっては、定款変更が必要なこともあります。
以上有限会社の場合なので、ご注意ください

 

登記はどうするか

 

これがまた、実は、けっこう厄介なことになります
閉鎖会社と公開会社で手続きは異なります
(閉鎖会社の方がわりとかんたん)

 

株式会社において閉鎖会社というのは、
定款上(登記事項でもあります)
株式譲渡制限がある会社のことです

譲渡制限・・・会社の株式を譲渡する際は取締役会(または株主総会)の承認を受けなければならない という感じの文言のこと

 

閉鎖会社の場合は、

株主総会で定款変更の決議をするだけです。登録免許税がけっこう(7万円から10万円ほど)、かかることを除けば、それほどのことはありません。

 

一方、

公開会社で、実際に株式を発行したことがある会社は少し、面倒です

 

まず、公開会社は、取締役会(つまり3人以上の取締役)と監査役の設置が義務付けられています
なので、取締役を一人にしたいときに最初に考えるべきことは、これを閉鎖会社にすることです(閉鎖会社には、取締役会も監査役も必要的ではないからです。閉鎖会社にもそれらはあっても問題はないですがそのままだと、取締役を1人にすることができません)

つまり、定款および登記事項に「会社の株式譲渡の際には、株主総会の承認が必要」というような定めを設置するということです。

ついでに言うと、株式譲渡制限を設置すると
役員任期を10年まで伸ばすことが可能
となります 公開会社だと原則2年です

いずれもメンバーに変更なくても
重任の登記が必要で、
忘れると、罰金が課されます

公開会社のままでは取締役を一人にすることはできないので、
まず、株券提供公告をして
定款変更を経て
閉鎖会社にする、というステップが
必要になるわけです

ちなみに官報で公告をするには、文言にもよりますが、4,5万くらいかかるようです。

 

しかし、公開会社であっても、
株式を発行したことがなければ
株式不発行の証明書を添付することによって
ほぼ閉鎖会社と同様にわりとかんたんに
機関変更することが可能です

それにしたところで、たとえば、50年くらい前に設立した株式会社の場合だと、過去に株式を発行していた過去があるかないかを調査するのも一苦労ではありますが。

 

 

ご注意:
以上は、あくまで、
小規模な法人に関しての機関設計です

会社には、公開会社と閉鎖会社の区別だけではなくいろいろな区分があり、それによって義務付けられたり許容されたりする機関が異なります
ご注意ください

 

このあたりも含めて、
できる限りご負担の少ない方法を提案
できることもあります
(できないこともあります)

 

ご相談は、どうぞ、お気軽に