司法書士vs.弁護士
司法書士vs.弁護士
つれづれに。
両者の区別は、言うまでもなく
歴然としてます
仕事内容については多少
(本当に多少ですが)重なる部分が
あるのですが、そもそも
その印象からして異なります
弁護士には、法律のプロ、といった
イメージがありますね
訴訟(裁判)の代理はもちろんのこと
争いのある当事者の代理人として
相手方と交渉することができます
加えて、登記も可能だし、税金の申告も
できます
(ご注意;職業として行うことが認められているという意味であってその人にそれができるかどうかはまた別のハナシです)
ドラマや小説の主人公になり
架空世界でも十分な活躍ができます
一方、司法書士は、基本、登記が
専門です。
さらに過払い金請求や少額訴訟、等の
簡易裁判所での代理権をもつ司法書士も
います。が、やはり、司法書士といえば
登記(土地・建物の名義を変える、会社の役員を
変更するなど)でしょう。
イメージとしては(あまり恰好よくないのですが)
銀行で、書類を抱えて
あちこちウロウロする背広を着た人。
というのが何となく定番では
ないでしょうか 地味です。
のみならず司法書士は常に、行政書士に
後れをとっています。
知名度も叶わないし、政治力にしても
叶いそうもありません。
司法書士は、弁護士や行政書士と異なり
ドラマや小説の主人公には
なれそうもありません。地味すぎるので。
(地面師系ドラマの脇役として近頃一瞬だけ注目を浴びたかも)
で、司法書士と弁護士の差異、それを
決定づけているのが、何と言っても
双方の法律第1条に置かれている
使命規定といわれるものです
ご覧ください
使命規定
弁護士法第1条
弁護士は、基本的人権を擁護し
社会正義を実現することを使命とする
2 弁護士は、前項の使命に基づき、誠実に
その職務を行い、社会秩序の維持及び
法律制度の改善に努力しなければならない
基本的人権の擁護、です。
社会正義の実現、です
生半可な覚悟では
こういう使命を背負うことは困難だと
思います
司法書士法第1条
司法書士はその業務とする登記、供託、
訴訟その他の法律事務の専門家として
国民の権利を擁護し、もって自由かつ
公正な社会の形成に寄与することを
使命とする。
自由かつ公正な社会の形成に寄与する、と
来ました
こちらもまた背筋が伸びるというか
鳥肌が立つような感覚があります
この司法書士法は、実はわりと最近
(2019年)改正されたもので、
司法書士の職責に使命規定が置かれた
ということで話題(身内で)になった
ものです
ちなみにそれ以前の司法書士法第1条は
・・・業務の適正を図ることにより登記、供託、訴訟等に
関する手続きの適正かつ円滑な実施に資し、もって
国民の権利の保護に寄与することを目的とする
だったので、なんというか、並べてみるとまさに
隔世の感があります
ワタシの認識としては
改正前の意識でずっと来たので
(なにしろ受験したのは改正前)
改めて現行法を見ると
素晴らしい職責を背負っているな
がんばれ司法書士!と思うものです
「国民の権利を擁護し、もって
自由かつ公正な社会の形成に
寄与することを使命とする。」ですよ!!
弁護士に負けてないぞ、と言いますか
(言い過ぎか)
使命規定はさておき
争いのある当事者の間に入って
交渉事を引き受けることは弁護士と違って
司法書士には原則できません
認定司法書士であれば、訴額が低廉なもの
(140万円以下だったか?)であれば
争いある当事者の代理人となることは可能です。
(当方は、残念ながら認定もとっていないし交渉事は言うに及ばずそもそも人と話をすることが不得手なのでこの分野への参入は考えたこともありません)
が、登記件数が激減している昨今にあって
司法書士が自己破産、債務整理、少額訴訟界隈に
参入したのも記憶に新しい所ですが、さらに近頃は
遺産承継等、民事信託あたりに
活路を見出そうとするのはもっともなことです
(完全に他人事ですね。)
弁護士費用
依頼をするのならば、やはり
交渉事のプロである弁護士に
頼みたいところですが
どうも敷居が高い感じがするのは
報酬額が高すぎて支払えないのでは?
という不安があるからだと思います
着手金として数十万、プラス
成功報酬として何パーセントとか。
加えて実費。
遺産承継などをお願いしたら、これだけで
手元に残る分は消えてしまいそうです
おいでくださったお客様にしても
当方でできない案件については
弁護士を紹介するのですが
費用はどのくらいかかりますか
と聞かれます
当たり前です。
そうした経験のない人にとっては
相場というものがまるでわからないのですから。
私もわかりません。。。
まあ、初回の段階で、ざっくり
見積もりというか、相場を
提示してもらえると思うので
あんまりにも財政的にきびしいようであれば
その時点で
相談料だけ支払って回れ右をするほかない
かもしれませんが。
司法書士費用
こちらは
その場で見積もりを提示できることが
ほとんどです
不動産の数が多いときなどは
少々時間はかかりますが
弁護士費用ほどには
不確定要素はあまりありません。
見積もりを提示すれば、ほぼ、そのまま
請求額として確定します
弁護士費用に比較すれば格段に
明朗会計(?)と言えます
業務・委任の範囲
委任状
ちなみに、司法書士は
登記の依頼を受けると
登記手続き代理のための委任状を
お客様からお預かりします。
タイミングは事務の都合上
前後することもありますが
基本、
委任状あってこそ、の司法書士であり
登記申請には、委任状は言うまでもなく
必需品であります
この委任状は登記の添付書類の記載としては
「代理権限証書」です
司法書士が依頼人を代理する権限が
どこから来ているのか、それをこの
登記用の委任状が証明するわけです。
とても大事なものです
弁護士にとっても委任状は
裁判所や相手方に対して、
弁護士が自身の代理権を証明するための
ものです。
なので、訴状には必ず添付されます
業務委託契約書
ですが弁護士は、
委任状よりも範囲の広い
業務委託契約書、業務委任契約書を
必ず作成します 必須です
(さらに委任状も徴求します)
業務委託契約書等は
依頼人と弁護士の間で交わされる
契約書であって、いわば
依頼にあたっての合意書のようなもので、
内容はかなり細かく多岐に渡って
書かれるものです
・依頼する業務の内容
~書類作成・示談交渉・契約交渉・・
・裁判であれば
どこまで依頼するのか
~一審・控訴審・上告審などなど
・着手金の額
・成功報酬の額
(依頼人の得た経済的利益の○○%など)
・出廷一回あたりの日当の額
・出張日当
・守秘義務についての約束等
・契約解除についてなど
かなり微に入り細を穿つかのように
つまりこれらは、いざという時に
お互いを守れるように条項が並べられます
司法書士も
登記ではない業務については、
(基本、登記外の代理権はないので委任状はお預かりしない)
業務委託契約書的なものの作成が
推奨されています
(弁護士と異なり、推奨です。
単なる努力義務にとどまっております)
お客様からすれば
司法書士に仕事を依頼したものの
その証拠が手元に何も残らない
というのでは、かなり
心もとないものです。
(何度か指摘を受けたことがありますが
そのときはピンと来なかったので
対応できませんでした。ごめんなさい
現在は対応しております。)
わりと短期間で仕事が完了する登記と
異なり
たとえば、遺産承継業務や家族信託
裁判書類の作成、債務整理などについては
時間がかかることが多いので
確かに心配になります
今、どうなっているのか
ちゃんと仕事は進んでいるのか
疑心暗鬼にもなりますよね。
「国民の権利を擁護し、もって
自由かつ公正な社会の形成に
寄与することを使命とする。」
その一翼をささやかながら担う者として
思いを新たに精進します
千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。