不動産詐欺?

不動産詐欺?だとわかっていながら
引き受ける司法書士はいません

万が一、運悪く詐欺に遭遇してしまう
ということはあるにしても

怪しいと思ったら近寄らないのが
司法書士というものです

 

自分たちの保身のことばかり考えて
お客の立場をちっとも考えていない!
お前らはそれで
職務を全うしているつもりなのか(怒)

と激昂したお客様(業者さん)に
怒鳴られたことがあります

おそらく私が男であれば殴られていたのかも
しれません

 

詐欺まがいの取引のとき

 

詐欺と断定(ワタシの素人判断)できれば
もちろん、その仕事を
引き受けることはありません

微妙に怪しいのでは、というときも
やはり司法書士としては
お引き受けするか
きっぱりとお断りするかで
悩み苦しむ場面です。

 

そもそも絶対に安心安全な取引はそう滅多にお目に書かれるものではありません。地元の長年お付き合いのある業者さんが売主で親しい誰かが買主というようなときなどはほぼ問題が発生することは考えられませんが何があるかわからないのが人生というもので絶対大丈夫と思っていた業者さんがある日差押えをされたり夜逃げをしたりまあ疑ったらきりがないとはこのことなので絶対大丈夫なもの以外をお断りするとしたら職業として成立しないかもしれませんと思いつつもやはり怪しい取引はお断りします

 

これは
このような疑いを持つことは
大変失礼なことだとは重々承知していますが
万が一、何かあったときに
言い訳のできないようなことは
するわけにはいかないからです。
ごめんなさい

 

法務大臣による懲戒

 

司法書士は、何より
懲戒処分を恐れるものです(私だけ?)

いちいち
立ち合い記録をつけたり、それを
何年も保存したり
実害が生じる恐れがないような案件でも
本人確認をしたり

それもみな
法律というか会則違反による
懲戒処分を恐れるが故のことです
(少なくとも私はそうです)

 

懲戒処分というのは

  • 軽いものは戒告というのから
  • 数週間の業務停止
  • 無期限の業務禁止というものまでいろいろあります
    法務大臣によって処分がされます

 

ちなみに、業務停止期間は
仕事(司法書士業務)ができないのは
もちろんのこと

看板を見えないようにしないといけない
と決められております

これが私にとってはかなり難しいことで

私のところは、事務所は狭小ですが
看板は大きくて立派ですね、と
よく褒められるくらいなので

この看板に
覆いまたはカバーをする、というのは
精神的にかなりの重圧なのは
言うまでもないですが

体力的にというか
どのように覆いをかけるのか(そこかっ!)
そんなことは考えたくないので
懲戒処分は何よりも恐ろしい。。

 

これが怪しい

 

で、こうした何気に怪しい取引に
誘ってくる時の決まり文句が

「そんな固いことを言わないでも
絶対大丈夫だから。心配しすぎ。
大丈夫俺が保証する」

というようなものです。

が、むしろこの一言があると
これは危ないのでは?という
司法書士センサーが発動する仕組みです。

「実は俺って悪事を働いてるんですよ」
と自ら公にする悪人はいません

 

ですがおそらくほとんどは実際にその通り
問題のない案件なのでしょうが

いただく報酬の数万円と引き換えに
懲戒処分が待っているかもしれない
と考えると
自ずと慎重にならざるを得ないわけです

 

私の地元は土地価格が低廉なので
流行りの(?)地面師のような
大胆な犯行に及ぶ人は少ないと
思われるのですが

いわゆる詐欺のような手口は
いつの時代もどこであっても
なくなることはありません

 

 

急ぎの決済案件

ともかく、怪しい取引に特徴的なのが
決済を急がせる、というものです

意味もなく急がせる取引は、即!
危険認定です

 

売主が明日から、海外へ出かけて
半年帰ってこないとか。

本当かもしれないですが、今まで
何をしていたのか、ということですね。

同じく
印鑑証明が明日で切れる
もう住所移っているので、登記はすぐに。

というようなものもあります

 

いきなり、売買が決まったり
海外出張も決まっていて変更できない

という事例も実際にあるのでしょうが
これが危ない橋、でない保証はありません

危ないと思ったら
こちらとしても
お断りするのは申し訳ないと思いますし
残念ですが
その時点でお断りせざるを得ません

 

 

なお、実際問題として
今すぐ!と言われても

司法書士が不在だったり
(補助者~アシスタントだけでは決済はできません)

書類の準備(委任状や登記原因証明情報の作成)

取り寄せ(評価額証明書や住所変更に使う
戸籍附票やらなにやら)

すぐには無理

という理由で
お断りするしかないことも多いです。

たとえば、クルマで2時間かかる役所に
今から行って証明書を取ってくる
というような芸当は
到底無理です。若い頃ならいざ知らず。。。