取引は仲介がいなくてもOK?

取引に仲介は必要なのか
それとも、いた方がよいのか

頼んだ方がよいのはわかっているけど
いなくてもよさそうだと思う時
というものはあります

 

仲介なしでも取引はできる

 

実際に、仲介の人がいなくても、とくに
問題がなく終了することもありますが

それは、結果論であって

本当に問題がないかどうかは
ほとんどの場合
そのとき(契約時 決済時)には
わかりません。

問題というものは
決済や登記が完了してしばらくたって
むしろ忘れた頃に表にでてくるものです

また

「同じようなパターンの近所の人が
仲介業者なしでうまくいったから
私もそうしたい・できるはず!」
という
ご希望も聞かされることがありますが

実は同じようなパターンといったとき

本当に似ているかどうかは

司法書士目線(登記上の障害の有無)および
業者目線(実体的な障害の有無)
両方の観点からチェックする必要が
あるものです

傍目にはおそらく
どれも同じに見えるかもしれませんが
そうではないことも多いのです。

一般人には、わかりません。
それはあたかも
急性膵炎の激痛と
腎結石の激痛を同じものとするような
無謀なことです 命にかかわります

 

なので素人さんが
ほとんど似た事例と思っても、実は
とんでもなく難度の高い事例であることは
かなりあります

 

当然、そうした時は、

  1.  専門の業者さんに仲介に
    入ってもらった方がよいです
  2.  ちなみに、登記も、できれば
    司法書士に依頼した方がよいです

 

仲介いなくてもよいのでは?

仲介さんがいなくても何とかなるかも
ということも実際あります

もちろん、宅建業者の仲介さんが
いた方がよいことが大前提です

それは
簡単な登記を
セルフ~本人申請ですることと同様

それでもよいかもしれないですが
余裕があるのであれば
司法書士に頼んだ方が
間違いがないのと同様です

 

 

農地の売買

取引価格も低廉なことがほとんどなので
実際問題として
依頼したとしても業者さんには
あまり歓迎されないこともあります
仲介手数料は、原則として
取引価格の何パーセント、というかたちで
法定されているため

 

農地の売買には、原則として
農業委員会の許可を得る必要があります

なので、その許可申請する際に
農業委員会が
取引の内容に踏み込んで
話を聞いてくれる(相談に乗ってくれる)
ことが多いです

 

その際に、たとえばその物件に

  • 仮登記が付いているとか
  • 実は隣地との境界に問題があるとか

そのような事情を教えてもらえることが
あるので

 

これはダメかも思えば、その時点で

売買を断念するなり、
業者さんに依頼するなり
選択することができます

 

低廉な価格の山林など

付き合いで買わされるとか
義理で譲られたなど

価格がさほどではなく、要は
万が一のことがあっても
諦めがつくときは

仲介さんに頼まなくても
やむをえない、かもしれません

これはつまり

売買契約および登記に絶対にミスが
許されない土地であるならば、
専門の仲介業者や司法書士は必要である

ということの対局にある取引の場合です

 

建築予定のない、土地

将来的に絶対に建築予定がない
というのであれば

もろもろ気にしなくても良いのかも
しれません。

駐車場にするとか。
何かの置き場にするとか。
であれば、
建築ほどの規制はないとは思いますが
私も素人なので、残念ながら詳しいことは
わかりません。。。

 

一方、建物を建てるのであれば
それなりの規制がされている土地だと
建物が建てられない、という事態
になることもあります

宅建業者さんであれば
このあたりの規制については
よく調査してくれるので心配はありません
が、
個人間売買で
なんとなく登記だけ済ませてしまうと
あとで泣きを見ることになるかもです 

 

こうしたときは、
(どうしても仲介なしで行いたいとき)
自分たちで事前に調査する必要があります

市役所の担当部署に行けば
教えてもらえます

その際は、事情を全て伝えましょう。
一部しか開示しないで
自分に有利な情報だけをもらっても
あとで肝心なときに
役に立たないことがあります

 

契約書をつくる

 

なお、仲介業者がいないときでも

  1. 売買契約書を作成し、かつ
  2. 代金授受をする際は、記録が残るように
    領収書の交付をすることをお忘れなく。

振込だけで済ませるときは、必ず
売買契約書を作っておきましょう。

それなしで、単に振込をしたとしても
将来問題が生じたときに
何のための振込なのか
証明することができないことがあります

振込だけだと、贈与されたのかも知れず
または単に借りただけ、とか
主張される可能性があります

不動産の売買と紐づけるものがないと
後日、問題が生じたときに
判断ができません

ちなみに、売買契約書は、
資格者(宅建業者・弁護士・司法書士など)
が作ったものでなくても

手書きであっても

必要なことが書かれていればそれだけで
有効です。

将来裁判になった時でも、証拠として
充分通用します

 

また

 

売買契約書を
行政書士または司法書士に
作ってもらったから
仲介いなくても大丈夫、という

有難い勘違いをしている方もおいでですが

少なくとも当方は、宅建業者ではないので
踏み込んだ契約書は作れません

一般的な
最低限のものしか提供できないことを
くどいほど、ご説明しています

が、ほとんどの場合
自分に都合の悪い、自分が望まない情報は
耳に入ってこないというか
記憶されないことが多いので
どこまで理解していただいているかは微妙です

 

・・・なら、作るな!という声が
聞こえそうですが

仲介業者が不存在で
売買契約書もないとなったら
何かあったときにどうにもなりません

必要最低限の売買契約書でも
ないよりは全然マシ!!なのです。

誰が、誰に、いつ、何を、いくらで
売った

これがあるだけで、将来万が一
何かあった時には
天と地ほどにも違います

 

実は必要かも

仲介なしでも大丈夫かも!と思っても
でも実は限りなく必要なのが
こんなとき。

これは

  • 親戚から譲り受けるとか
  • 親しい人から買う
  • 付き合いの長い知人から買う

および

  • それらの人からの紹介で買う

などといった時です

もちろん、そのような
信頼のおける人からの所有権移転であれば
積極的に悪さをしようという人も
いないでしょうが

実は、このような時こそ
仲介さんの真価が試されるときです

何があるか、わからないからです

 

突発的なアクシデントに当事者だけでは
対処が難しいことがあります

仲介業者さんであっても
難しいことはありますが

一般素人に比べたら
何かのトラブルに対処する
ノウハウの蓄積があります

親戚だから大丈夫だと思った
十年来の友人なのに

とか
実によく聞くフレーズなので

転ばぬ先の杖、ということで

絶対に安心安全と思われる取引のときこそ
業者さんに相談しましょう

 

番外☆弁護士や司法書士が入っている

弁護士も司法書士も行政書士も
不動産取引の専門家ではありません

当事者のみの売買ということで当方も
売買契約書の作成のお手伝いを
することがありますが、必ず

専門の仲介業者ではないので
それなりの限界があること
ご理解いただいての取引となります

 

特に近頃は、
個人間売買が増えている印象があるので
少々、危機感を覚えます

 

弁護士も、法律の専門家ではありますが
不動産の専門家ではありません

現場の状況などの確認は
していないことがほとんどだし

宅建業者の専業である仕事を
弁護士司法書士行政書士に期待しても
残念な結果に終わりかねません