遺言発見 公正証書遺言など

遺言発見そのあとで
公正証書遺言 法務局保管遺言など

自筆遺言書と異なり
公正証書遺言の場合は

発見したあとの手続きが非常にラクです

 

自分で勝手にさらさらと書いた遺言書と

公証役場で
保証人2人の立ち合いのもとで
作成された遺言書とでは

扱われ方が違うのは仕方ないとも言えます

 

公正証書遺言

 

ほとんどは
作成した公証役場の名入りの
茶封筒に入れられて
(封がしてある場合もそうでない場合もあり)

相続人自身に既に託されていたり

見つけやすい場所に置かれていることが
多いです。

その場合、開封しても問題はありません

 

既に内容について被相続人から概要を
聞かされていたとしても

このたび初めて開封するというときでも

ともかく、封筒から取り出して
何が書かれているのか確認しないことには
始まりません

想像通りのものが書かれている場合と
そうではないときが、あります

2024年10月現在の法律によれば
全ての公正証書遺言は
紙で書かれています。

粛々と中身を確認します
数年後には
デジタル遺言が可能になる模様ですが
どうなることでしょうか

それが、謄本
(ハンコが押されているもの)であれば
そのまま遺言の執行が可能です

検認手続きは不要です

あとは、遺言書の内容に従って粛々と
故人の遺志を現実化するだけです

ただし、執行するためには
遺言者が死亡したことを証する戸籍が
不可欠です

確かに、検認手続きが不要なので
その分の時間は短縮できますが

最短で財産の名義を変えたいと思っても
戸籍に被相続人の
死亡の旨が記載されるまでの時間が
かかります

 

なお、万が一、その公正証書遺言が
コピー機で複写されただけのものだったら
公証役場で
遺言書謄本(ハンコのあるもの)を
取得する必要があります

ただのコピーでは遺言執行はできません

 

法務局保管遺言書

 

まずは、遺言証明情報を手に入れる必要が
あります
(これが、遺言書に相当するもの)

これは
必要な書類(被相続人の死亡記載ある戸籍
共同相続人全員の戸籍・住民票)
をそろえて
法務局に申請することによって
取得できるものです

検認手続きは不要です

被相続人の死亡事項が
戸籍に記載されるまでは数日かかるので

その戸籍が発行されるまでは
事前に聞かされていない限り
遺言書の内容はわからないことになります

加えて、共同相続人全員の
戸籍と住民票は
(このあたりの必要書類は、自筆遺言書の
検認期日申立ての際のものとほぼ同様です)
相続の関係性によっては
申請人だけでは取得できないこともあります

そのときは
司法書士や弁護士に依頼して
取得することになります

 

遺言の執行

で、相続人が一人しかいなかったときは
遺言は、遺贈やら遺言執行者についての
記述があることが予想されます

相続人が一人しかいないときは相続放棄をしない限り自動的に全ての債権債務財産はその相続人が相続するのでわざわざ遺言書作成するからには遺贈や遺言執行についての詳細が書かれているのだろうと推察するわけです違うかもしれませんが

 

相続人が一人だった場合。

託された遺言書には
「別れた前妻に遺産の半分を遺贈する」
と書かれていたとします

(この場合だと相続人の遺留分は侵害されていないので裁判で争うことはできません)

相続人には
被相続人の妻だった人に遺贈する義務
が生じます

遺言執行者がいれば
その執行者にその義務が生じます

 

それを知った相続人が取る道は二つ。

遺言のとおりに半分ずつ分ける、か
遺言を見なかったことにして
全部自分のものにしてしまうか。

誰にも知られていないとしたら
遺言の存在自体を無視することは
実際上は
不可能なわけではないでしょう

執行者がいなければ、ですが。

(私も随分なことを書いていますが
世の中の有りようとしてはこんな感じでしょう
というやさぐれた気持ちからではなく
単純に、可能性の話をしています)

 

なので、遺言をする側が
別れた妻にどうしてもどうしても
絶対の絶対に、遺贈したいのだ!!
と思うのであれば

いろいろ面倒で、そのうえ
実行可能性がかなり低下する
自筆遺言書ではなく

公正証書遺言をすべきと考えます

そして、その謄本を
受贈者(別れた妻)に渡しておくのが
良いです

または、生きてるうちは
別れた妻にはそれを知らせたくない
のであれば

別途、遺言執行者を指定して
その人に事前に遺言書を
渡しておくべきです

人の心は弱いもので
お金に目がくらんだり
我欲に負けて人の道を忘れることが
絶対ないとは言えません