代表取締役の住所が非表示に?

2024年10月1日、満を持して、いよいよ

株式会社の
代表取締役、代表執行役、代表清算人の
住所の一部を非表示とする法律
施行されます

 

この扱いがされるようになったら
代表取締役は
すっかり肩の力を抜いてよいのか
と思いきや、
そうでもなかったようです

がっかりです

 

全世界に
自分の住所が公開されているのは
どう考えても
あまり、気分のよいものではありません

 

当たり前です。

特に現代という、
何が起こるかわからない
すべてが混乱した時代にあって

住所が公開されているのは
危険としかいいようがありません

 

ある朝、激しいノックの音に起こされると
悪意あるクレイマーがそこに立っている

という悪夢が
現実のものになるかもしれないわけです

 

あとは、ストーカーとか。

単に、ファンであるとか。

 

現行の制度
(代表取締役の住所が登記される)では

代表取締役の住所を知りたいと思ったら
会社の登記簿にアクセスすれば
よいだけです。

費用さえ払えば、誰でも
その情報は簡単に手に入れることが
できるのです
法務局窓口で600円

あんまりだと思いますが

それにも関わらず、現行制度
(代表取締役の住所が登記される)が
基本仕様であるということは

やはり
代表者の住所を秘匿するということが
個人的には歓迎したいものではあっても

公共の福祉にそぐわない部分がある
ということなのでしょう。

 

基本的には

その会社の本店さえ登記されていて
ふつうに連絡がつくのであれば
すべての用件は足りるはずなので

代表者の住所というものは
不要といっても良いくらいです

ただ、万が一、
会社あての郵便物が届かない、とか
連絡がつかなくなった際の保険というか
いわば緊急時にのみ必要になるだけです

 

そのため非表示の申出に当たって
本店所在地に郵便物がきちんと到達してるか
どうか
(つまり会社が実在しているかどうか)
は、とても大事な要件となっています 

上場会社以外は、措置の申出の際に
それを証明する書類の添付が
求められています

 

 

連絡がつかない・代表の住所が必要なとき

非表示の措置がされたあとで
その会社に郵便物が到達しないときは

それなりの手続きを経ることによって
非表示の措置を
終了させることができます

 

このような感じです

その1
本店に郵便をだして届かなかったという
第三者から法務局への情報提供

法務局がそれに対して蓋然性が高い
という判断をしたときは

法務局から当該会社本店あてに
転送不要郵便を出し

一定期間内に返送がないことをもって

非表示措置を終了する

というものです

 

または
その2
司法書士等が

・宛所不明のスタンプが押された郵便物等

・司法書士等の職印証明書

・非表示扱いの終了の上申書

以上を添付して
法務局に申し出ることによって
この措置を終了させることができるとも
されています

 

 

その3
やっぱりやめたい

なお、申出をした代表取締役本人が
この非表示の措置を終了したいと
思った時は
いつでも申出ることによって
終了させることができます

本来ならば登記されているべき
代表取締役の住所が公開されていないこと
に対して
金融機関等からの
不利益を受ける可能性が指摘されているので

そのような際は、簡単に
元に戻せるということです

 

 

いざとなったら

法務局のホームページには

この措置が講じられた場合であっても
官公署(官公署から嘱託を受けた者を含む)
からの請求等に応じ、対象となった住所の
情報を提供することがあります

と書かれています

 

素人考え

それであれば、いっそ
一律に代表者の住所は表示しない
ということにしてしまえば、よかったのでは
ないでしょうか 

で、訴訟等で必要となった場合は、
(住所の情報は法務局にはあるわけなので)
開示請求をすればよいだけです  

せっかくここまで改正をしたのだったら
もう一歩!!!
踏み込んでもらいたかったと思うものです

残・念・至・極