借用書の作り方って難しいですか

借用書の作り方おしえてください

 

お金を貸したり、借りたり、することがあったら、やっぱり、万が一のときのために何か書類的なものを作っておいた方が良いのでは?と心配になったりしませんか

この書類は、少しそれっぽくいってみると、借用証書、さらに、金銭消費貸借契約証書などという言い方もあります。

 

一番簡単な借用書の作り方

 

書き方は非常にシンプルで、簡単です。

基本は、

誰が、誰に、いつ、いくら、借りた、を書いておけばOKです。

例えばこんな風に

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借用書

片岡えり子様

私は、本日、金10万円也お借りしました。

平成30年5月31日までにお返しします

無利息です

平成25年4月20日  片山りえこ 印

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ま、これだけで、最低限の要件というか体裁は調いました。

これだけで、貸し借りをしたことは、はっきりわかります。

それは、上げたのでもないし、取られたのでもない、ということです。

(これは意外と忘れられがちだけど、とても大事!)

 

これだけでは少し、心配なのでは?

 

加えて、利息はどうする、とか、いつまでに返済するのか、分割払いにするのか、

また、約束のその日に返さなかったときの罰金(遅延損害金)はどうするのか、
これらが書かれていれば万全です。そんなことを書きます。

ちなみに、利息制限法という法律があって、、あまり高い利息は、無効です

例えば、10万円借りると、利息の最高は年18パーセントです。(年間18000円)

 

で、この中に、大事なことが。

 

・いつまでに返すのか、弁済期日は書くべき

出世払い、もOKではありますが、これだと、弁済期の定めが無いとき
当たるので、法的には、
「定めが無いときは、返せと言われたら、すぐ返済しないといけない」
のです。
本当に出世払いであるなら、その旨はっきり書いておいた方がいいです。
「返済日が書いてなければ請求されるまで払わなくてもよいので、その方が有利」
と勘違いされてる方もいますが、それは逆に、

請求されたら即支払わなければならない

ということでもありますから、
要注意です。(民法591条 同412条)

即、といってもそれなりの時間は当然必要なので、
請求を受けてすぐに払わないとひどい目に合わせられる。
ということは無いのでそのあたりはご安心ください。

 

わざわざ書類するのが面倒です

 

ですが、そもそも少しのお金の貸借でわざわざ借用書を作るのは、いかがなものか、という意見もあります。

 

  • 200円くらいなら、作るまでもない、と思います。そもそも帰ってこない可能性大の金額ですから
  • 2万円なら、差し上げてもよいという気持ちなら、作らなくていいと思います。
  • 20万円でも、もしもお金持ちで、返してもらえなくてもいい、のなら作りません。私なら、絶対に借用書なしでは、貸しません。

 

ですが、基本的に書類がないと、裁判にするつもりがないにしても、圧倒的に不利です。

 

作らない人の気持としては、

 

こんなふうに考えて、または、結局、面倒な書類作りを先延ばしにして、どうにもならなくなってしまう人は多いです。

そして、お金を貸す側は本当は作って欲しいのに、借り手側の勝手な論理に言いくるめられると言うか、言い負かされて、借用書を作成するのを断念してしまうこともあります

 

  • そんなものをぺらぺらの手書きの私文書で遺してもたかが知れている。
  • 法的効力は無いはず。
  • 気休めにしかならない。
  • やるんなら、弁護士頼まないと。
  • 公証役場で作成してもらうのでは?

これらは、文書が必要なことはわかっているのだけれどもおそらくササッと書いただけものには効力がないのではないか、と思っている場合ですね。

もう少し、悪質なのが、

  • そんなにアタシのことが信じられないの?
  • え~!アタシのこと愛してないみたい。
  • 水臭いなあ、いまさら。俺とお前の仲なのに。
  • 俺も書きたいけど、信頼されてないのかって思っちゃって、少し残念、寂しいよ~

これもありがちな、詭弁

  • あとで、書くから、まずはこっち(お金)が先
  • そんなにあせらなくても大丈夫
  • 逃げないからさ
  • 人を信じられないと幸せになれないよ・・・・・・・・・言い訳ってたくさんあります。

そのうちの何割かは真実で、何割かは虚偽で、何割かは単なる無知。単なる怠惰。
あるいは、性善説の信奉者であるか、約束を守らない人がこの世にいることが信じられない人。(お人よしともいう。)

言い訳はよおく、分かりました。でも、こんな場合でも、まず、
一筆書いてもらいましょう。

具体的に言うと、

紙を用意します。コピー用紙とか。メモ帳とか。時間があれば、白いA4の紙がいいです。
緊急のときはその限りではありません。封筒の裏でも。ティッシュボックスでも。ともかくなんでもいいです。
何も証拠となるモノが残らないよりは、それが何であっても、あった方がいいです。

筆記具は油性ボールペンがベスト。万年筆、水性ボールペン、墨でもOK。鉛筆はやめた方がいいです。簡単に消せますし、消すつもりがなくても年月の経過とともにかすれて読めなくなったりするので。

書くこと。

当事者の名前を必ずフルネームで。自分の名前と相手先の名前を出来る限り正確に書きます。

作成日付。(西暦でないなら年号はお忘れなく)

内容をわかりやすく。無理に法律風の言い回しを考えなくても大丈夫。

こんな風でも全然OK↓

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借用書
2018年8月6日  私は、片山リエコ様からお金を借りました。金250万円也。来年の大みそかまでにはお返しします。利息はなし。必ずお返しします。
茂原市上林18の4 堀井武文 印
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万が一、何か問題が起こって、例えば貸したお金を返してもらえないとなった時に、
「え~、そんなの借りてないよ。お前がくれるって言ったんじゃない。」 と、言われたときに証拠となるのはこのような文書しかありません。

とかく、私たちは面倒なことは先送りにしがちです。ましてや、先方があまり積極的に協力してくれないときなどは、無理強いするのはちょっと、という気になりがちです。

でも、例えば上記のようなお金の貸借の時なら、一筆書いてくれないなら、貸さなければいいのでは?

お金の貸借に関しては、お金を実際に貸すまでは、
貸主の方が発言権は強いはずですが、

貸してしまった途端に一気に力関係は逆転します。

実際に貸す前に、書いてもらいましょう。