遺言を書いてみた

遺言書を作成しておいた方がいいと
さんざんお勧めしてきましたが

このたび実際に自分の遺言書の作成を
試みたところ

しみじみと考えました。

 

お勧めするのは簡単ですが
ひょっとしたらこれは思ったよりも
大変なのかもしれません。

 

私の場合

現在のところは、相続人は
一人しかいないので

遺産(というほどのものでもないですが)
を巡って争いごとが起こることは
考えられないので

遺言書作成については
これまで練習がてら作ってみたことがある

にとどまりました。

その遺言書は弟に預けたような気がするので確認したところ覚えていないという返事だったので私の勘違いだったのかもしれません

 

いずれにしても遺言書は
作成日付が新しい方が有効です。

なので仮に
かつて作成したかもしれない遺言書が
出現したとしても、全く問題ありません

以前のものと内容が相違している部分
については、
新しいものが完全に優先されます。

 

今回書きたかったのは

 

1 遺贈先

遺贈は、遺言書に書かない限り
実現させるのが難しいものです

2 遺言執行者の指定

これも遺言書で書けばそれでOKですが
書かれてないと相続人からの手続き
ということになってしまい
相続人に
負担を強いることになりかねません。

家裁に遺言執行者選任申し立てをして
選任してもらうことも可能ではありますが
面倒です

3 俗にいう付言事項

これは一言で言ってしまえば

今までありがとう
とか
これまでの不始末を許してください

というようなお気持ち的なものです

 

大した字数ではないだろうと
たかをくくっていたところ

普段、手書きというのはあまりしないので
予定の半分もいかないうちにまさかの
疲れて断念!というていたらく。

下書きをワープロでしたのも
字数が多くなった原因かと思われます

 

そこを含めて
気づいたことがいくつかあるのでメモを。

書いてみてわかった当たり前のこと

1 簡潔にわかりやすく書く

丁寧な言い回しとか
美文調を気取ろうとすると
文字数が無駄に増える

格好つけてみても
遺言書が読まれるときには
もう死んでしまってるので、無駄である。

 

2 文字は読みやすく書く。

特に人の名前や固有名詞や数字は
読み間違いが絶対生じないように
楷書ではっきりと書く。

普段自分の手書き文字は見慣れているので
間違えずに読めるものだが
他人が見たときに
書いたように読めるかどうかは、別問題

 

3 付言事項があったとしても
これを書いていると腕も頭も疲れて
遺言書自体を書きたくなくなってくるので
この部分は潔く諦める。

ここだけ別途
ワープロで作成することにすれば
よいのではないか。

何もがんばって手書き遺言書に
全部盛り込む必要はない

盛り込めれば当然その方がよいが
それが苦痛であるために
本文さえも作成できないとしたら
まさに本末転倒である

 

4 付言事項やその他の詳細は
(遺贈先や遺言執行者の住所や電話番号などの
詳細連絡先など)

ワープロ打ちにして最後に署名捺印をする

※この書面は法的な効果のあるものでは
ありませんので、ご注意ください

 

付言事項は、事実上遺言執行には
関係がないし、さらに私の場合は
自己満足のために書きたいだけで
それ以外の何物でもないわけです

付言事項は、何人も相続人がいるなどして
死後にもめる可能性あるのであれば
絶対に書いた方がよいですが
(むしろ書くべき)

必要なければ特段なくても
遺言の執行力には関係ありません。

遺贈先および遺言執行者は
手書きの(正式な)遺言書の中に
「○○」と指定してあるので
とりあえずそれで足ります
特定できる程度に書かれていれば
大丈夫

わざわざ詳細情報を別紙で遺すのは
万が一、気が動転した相続人が
遺言執行者の連絡先を見つけるのに
手間取ったりするのも気の毒なので
念のために書き添えるものであって
それ以上の意味はありません

 

本文は段落にしてわずか5段落
合計8行!です

あとは、そこに氏名 ハンコ 最後に
作成年月日を書き入れて

それで完成だぞ!

 

 

と思いきや、

 

 

ありえない、論外なミス

 

なのに、ここで
なんということでしょうか

日付を

2024年8月晴れた善き日に云々
と書きそうになって、のけぞりました

 

「○月吉日」はダメ!!
何度書いてきたことでしょうか

これらの情緒的表現は
正確な日付とはみなされないので
自筆遺言書の要件を
欠いていることになります

つまりこのように作成日付を書いたら
この遺言書では
検認をうけても執行はできません

でも、私の手は
8月30日、という数字を
書くことを拒みました

せっかくここまで書いてきたのに
妙な趣味を発揮したら、
お仕舞になるところでした。

→書き直しです

 

いかに、わずか5行の遺言書といっても

一字一句間違えないように
丁寧に楷書で書いたため

本日分の精神力と体力を
使い果たしたと言っても
過言ではありません

 

おそらく、そのため、最後の最後の
年月日の部分に至って

ついに気が緩んだのだと思われます。

 

作成にあたっては、重々
気を引き締めて臨む必要があります

 

ちなみに私の書いた遺言書は次のような感じです

遺言書
私の遺産を次のとおり分配する

1 Aに、金○円を遺贈する
2 Bに、金○円を遺贈する
3 残りのすべては(少しですけど)
相続人Cへ相続させる
4 遺言執行者としてDを指定する
2024年8月30日
茂原市上林1-2 片山えりり 印

 

自筆遺言書を作成するにあたっては

最後の最後で
注意力が途切れませんように。

ご健闘をお祈りします