致死率100パーセント
致死率100パーセントなのに
なぜ
家族葬の広告を見ました
もしもの時に備えて
とか
万が一の時には
など。
私たちの致死率は100パーセントであり
人間の寿命は長くても125歳くらいで
あることを思えば
当たり前のことですが
もしも
でもないし
万が一
でもないわけです
必ず命の終わりを迎えるときが来ることは
当たり前のことで
普段、それを意識していてもいなくても
結果に変わりはありません
もちろん、
広告主も私たちも
そんなことは百も承知です
その万が一の時が到来したときの
気持ちとしては
いつかこの日がくるとは知ってはいたが
まさか本当にこの日が来るとは夢にも
思ってなかった。。という感じでしょうか
覚悟のあるなしに関わらず
その日は必ず来てしまうものなのです
現在60歳であれば
必ず
絶対に
もれなく
その時は数十年以内に
到来する、というわけなのです
致死率を考える
致死率100パーセント
にも関わらず人は何故、何故に
何故にあとのことを考えないのか
と言いたいものです
ずばり、ここで考えるべきは
遺言と終活です
遺言をしましょう
遺すべき財産のない方でも、せめて
終活だけでも試みましょう
それがあと数日なのか
数十年なのかわかりませんが
残された日々を心安らかに暮らすための
精神安定に役立つことと思います
おそらく資産家の方であるならば、普段
税理士なり弁護士なりとのお付き合いが
あるでしょうから、
普段からそれなりの策を講じていることでしょう
資産家ではない普通の小市民である
私たちこそ
遺言作成なり、終活をするなりが
必要とされるわけです。
いずれも未だの人は、ぜひとも今
行動が必要ではないかと思うものです
税金対策?
資産がある方は、未だ何ら対策を
とってないとしたら、相続税について
最善の策をとりたいことでしょう。
でもまあ、寄付と思って
多額の相続税をそのまま納めたい方は
その道は素晴らしい道だと思うので
止め立てはしませんが
それほどでもない方は
いきなり遺言書を作るというよりは
それなりの検討をするべきかと思います
ちなみに、相続税の非課税範囲は
基礎額3000万円に
相続人一人当たり600万円までと
言われています
なので、相続人がひとりであれば
3600万円まで非課税
相続人が3人であれば
4800万円まで非課税ということになります
詳細については
ひとりであれこれ気に病むよりも
税務署なり、税理士なりに
ご相談いただく方が効率が良いと
思います。
税理士であれば、そのあとの
相続税の申告までお願いできるかもしれません
遺言書を作成する
相続税などは特に心配する必要がない
ということであれば
一気に遺言書を作成してしまいましょう
いつなんどき、次の瞬間にでも
致死性の発作が私たちに襲い掛かるか
わかりません
そこまで差し迫ってご心配な方も
そうはいないかもしれませんが
それなりの年齢で、まだ遺言書を
作成してないというかたは、とりあえず
今すぐにでも作成が可能な
自筆遺言書を作成すべきです
詳細な遺言公正証書が必要ならば
そのあとで、じっくり熟考の上で
作成しましょう
特に、子どものいない方で、相続人が
配偶者と自分の兄弟だけだという場合に
全てを配偶者に遺したいとお考えなので
あれば
人の善性に期待するよりは、ここは
遺言書を書くことを強くお勧めします
あなたが元気なうちは
あれこれと気を使ってくれた兄弟が
あなた亡きあと、同じように配偶者に
優しくしてくれることは
期待しない方がよいと思います
皆それぞれに事情があって
そこまで他人に
やさしくできるときばかりではありません
きびしい言い方ではありますが
このように認識していることこそが
将来の生活を守ってくれると
心してください。
根拠もないのに(根拠があったとしても)
他人の善意をあてにしていいことは
ありません
むしろ、全然期待していないときこそ
万に一つの善意が得られたとき、私たちは
宝物を見出すものです
配偶者の方に全財産を遺したいときは
次のように自筆遺言書をつくります
子どもがいない方は、これがあれば
配偶者にすべてを遺すことが可能です
子どもがいるときは
子どもには子ども全員併せて4分の1の
遺留分があるので
もしもそれを子供から請求されたら
その分の手当が必要になります。
が、
請求されなければそれでおしまいです
遺 言 書
私は、全財産を妻の片山えりりに
相続させる
2023年9月23日
片山べるる 印
全文自書で
日付、氏名、と
みとめ印でよいので
ハンコを押しましょう
それだけです。
鉛筆ではなく
ボールペンか、万年筆、毛筆等で
したためます
検認手続き
他の方式の遺言書と異なり
自筆遺言書は作成するのは簡単ですが
死後の遺言執行において
多少の煩雑さがあり、それはつまり
検認手続きが必要ということです
遺言を実現したい時には、必ず
家庭裁判所に申し立てをしてその自筆の
遺言書を検認してもらう必要があります
亡くなった方の最後の住所地を管轄する
家庭裁判所です。
最寄りの家裁に問い合わせれば
管轄を教えてもらえます
一方
公正証書遺言や法務局保管の遺言書の時は
作成する際に面倒ではあるものの
この検認手続きが不要です
公正証書遺言
どちらを選ぶか
ゆっくり考える時間的余裕のある方は
公証証書での遺言をお進めします。
死後の検認手続きが不要なことも
大きなメリットですが
近頃の高齢化社会においては
もうひとつ
忘れてはならない大事なことがあって
それは、作成者の遺言能力というものです
他の手続きと異なり
遺言書の成立に公証人が関わっているため
遺言者の判断能力等において
特段の問題のない遺言であるとされる
確率が格段に高まります
自筆遺言書だと
騙して書かせたのでは?とか
同居の子どもが偽造したのでは?とか
実際にそのようなこともあるわけですが
問題なく本人が書いた遺言についても
そのように濡れ衣というか
いわゆる痛くもない腹を探られる恐れは
かなり高くなります。
自筆の遺言書はこのように真正を
疑われる余地が多いわけです。
では、公正証書においてはこのあたりは
真実性が担保されるのか?
絶対大丈夫なのか?と
心配なところですが、これもやはり
100パーセントOKということでは
ありません。
公正証書遺言であっても
当時すでに重症の認知症だったはず
と遺族が主張して
裁判の結果、
遺言の有効性が認められなかったという
ケースがあります
なので
絶対に大丈夫とは言い切れないですが
それでも多くの場合は
公証役場で作成された遺言書に
裁判で異議を申し立て
それが認められることは
少ないのではないかな、と思います
自筆遺言書のご注意
でも、
明日の朝には、もう命がないかもしれない
夜中に致命的な発作が起きるかもしれない
どうしても、今。今。
今、遺言を書かないと。
という時は、
死亡危急時遺言というのもありますが
ここでは体は一応元気なのだけど
万が一のことが心配という状況の
ハナシをしています
紙とペンを用意して、書くだけです
このように書いても
お伝えしたとおりの注意事項を守らない
不注意な人がいるので
再度確認をしてください
敢えて、不注意な人、と書きましたが、
実話です。実話。
死後に、作成済みのそのような要件を
満たしてない自筆遺言書を持参して
これではどうしてもダメですか、と
何度か聞かれたことがあります。
ダメと言ったらダメなのですが、、、、
それでも中には、
検認さえ受けてしまえば良いのでは?と
ワープロ打ちの遺言書で
検認証明を受けた方もおいででしたが
検認をうけても
形式的要件が整っていない限り
遺言の執行はできません。
いずれにしても
遺言内容が適切であることは
言うまでもありませんが。
↑
ここは大事です。ご注意ください
全文自書で。
全文を自分の手で書くということであって
自分でワープロ打ちすることでは
ありません。
財産目録部分だけはワープロ・印刷でも
大丈夫です。ただし、そのページには
全ページに署名と捺印が必要です
また
自書すべきは名前だけ、と
勘違いしている方もおいでのようですが
名前だけではなく
最初の
遺言書という文言に始まって
日付・氏名に至るまで
(本文はもちろんのこと)すべてを
自分で書くように求められています
また、達筆である必要はないですが
誤読の余地がない程度には、丁寧に
楷書で書いた方がよいと思います
たとえば、
自分の娘と妻の名がよく似ていたときに
全財産は〇子にと書いたつもりが
△子に、とも読めるなどというのは
最悪的に争いのもとです。
この場合に限って言えば
妻の〇子に、または
長女の△子に、と
続柄も併せて書いておけば
誤読される余地は限りなくゼロに
近づきます
日付
台風一過の良く晴れた秋の日に記す
とかではダメです
詩情あふれていても、全然ダメです
年号(西暦でも元号でも)に続いて
〇月〇日とはっきり書いてください
氏名
後日争いのもとになるので
戸籍上の姓名を丁寧に書きます
ハンコ
実印である必要はないです。
認め印を押します
シャチハタはやめておきます
ハンコがなければ、拇印
(親指または人差し指の腹に朱肉を軽くつけて押す)
でも大丈夫です
ほんとにこのあたり、形式さえ整っていれば、という感
満載です。要は、朱肉がついていれば良い、という
感じですね。いや、形式は大事ですが。もちろん。
ですが、ちゃんと、
認め印を押しましょう
後日の争いの種を自ら蒔くことは
ありません
終活
さて
終活に関しては
自筆遺言書のようにさらっと済ませる
有効な手段は今のところありません
誰かに○○を事前に依頼しておくという
契約をする必要があるからです
契約内容はもちろんのこと
相手方(受任者)の了解も当然必要ですし
その方に実現する能力があるのか、という
大事な問題も控えています
信頼できる法律事務所などと
死後事務委任契約を締結しておくとか
任意後見契約をしておく、または
それを専門とするそのような施設と
予めその種の契約を結んでおく、など、
いくつか考えられますが、
いずれも、いざという時に
カンタンにできるようなものでは
ありません。
ただ、もう時間がないという時でも
身近にそのようなことをお願いできる人が
いるのであれば
どうしてもこれだけはというようなことを
文書にして渡しておくのはアリです
内容はもしかしたら法的に有効ではない
かもしれないですが
死後の処理等についての指針になりうる
という意味において
何もないよりは
全然いざというときの助けになると
思います。
市販のエンディングノートのような
ものです。自治体でこれを
配布しているところもあるようです
致死率100パーセントの私たち。
おそらく誰であっても
立つ鳥跡を濁さずとはいきませんが
できるだけ、不毛な争いや
無用の混乱が生じないように、と
思うばかりです
遺産相続登記や生前贈与等
登記のご相談は
どうぞお気軽に
なお、申し訳ありませんが
税金のご相談は
税務署または税理士にお願いします
千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。