相続放棄をする前に

放棄をする前に
やっておくと良いことがありますよ

ということではなく

さらには

遺産をこのようにうまく隠しておけば
ばれない大丈夫、的な
美味しいハナシでもありません

相続放棄をするということについて
ひとまずよく考えましょう

と、言いたいだけです

 

相続放棄とは

 

先日、裁判所の窓口で放棄の手続きの説明
を受けている方がおいでで
聞くともなく聞こえてきた内容は

 

こっちの土地はいらないんで、これを
放棄したいんですよ。

だって、他所にすんでいるのに
こっちの土地や家をもらったって
どうしようもないじゃないすか。

売れそうもないし。

農地だって、農家をやる気はないし。
全部放棄します。

土地も建物も、全部放棄です。


預貯金?現金?

それは相続します
(当たり前じゃないすか)

 

 

えっ?

ええっ!!

 

お気持ちはよ~くわかりますが
好きなところだけ相続したり
放棄したりするわけにはいきません

放棄するならば
全てを放棄することになります

 

放棄しなければそのまま自動的に
相続人(の一人)となります

つまり、何も手続きをしなければ
自動的に相続人となるわけです

 

その際にも相続の届け出、のようなものは
いりません

家督相続の時代には(旧民法時代)
家督相続届出が必要だったようですが
今の法律ではそんなことはありません

 

ただ
相続による遺産の名義の書き換えや
相続税の納付が必要な場合の申告など
については
そのまま自動的に進行するということは
絶対ないので、ご注意ください

 

相続分の放棄とは

 

相続人が何人かいるときに、話し合いで

  • Aは現金全部
  • Bは預貯金全部
  • Cは不動産全部
  • Dは何も相続しない

 

などのように協議することは
全く問題はありません。

遺産分割協議で
このような分け方をしたときに

「Dは放棄した」という表現を
することがありますが、これは、

単に相続分を放棄したということです

相続放棄とは違います

 

言葉はよく似ていますが、
相続分の放棄
裁判所での手続きが必要な相続放棄とでは、

法的な効果が全然、異なるものです

お気を付けください