相続放棄に注意 次順位とは

相続放棄をする際はご注意ください

次順位の繰り上がりが
起こることがあります

 

裁判所で相続放棄をすることによって

それまでは相続人でなかった人が
相続人となってしまうことがあります

 

たとえば、父が死亡 母と子ども2人

このような家族構成の時に、本来は
父の兄弟は相続人ではありません

 

ところが
子どもが2人とも
相続放棄をしてしまうと

母だけでなく、父の両親も相続人です

両親が2人とも死亡していれば
(または放棄をすれば)

父の兄弟に相続権が移ります

これが次順位が繰り上がるという現象です

 

代表的な勘違いとして

被相続人 父
相続人  母 と 子ども2人

3人で話し合った結果、
母のみが遺産を相続することになりました

そのために
子ども2人は早々に相続放棄し

これで自動的に母一人が相続人となるはず

という心づもりでした

たしかに、

被相続人に親も兄弟もいなければ、これで
母ひとりが相続することができたのですが。

ですが。

 

被相続人には、生前から仲の悪い兄弟が
3人います

なので
子ども全員が相続放棄したら
相続人は母だけ、ということには
ならないのです

残念ですが。

次の順位(である親や祖父母は他界しているので
その次)
の兄弟3人に相続権が移ります

 

まったくびっくりです。

 

このあたりは勘違いしがちなので
くれぐれもご注意ください

 

こうなると

いったんしてしまった相続放棄は
このような事情では
取消撤回ができないと思われます

 

第一順位の相続人が一人でもいれば
親や兄弟姉妹まで相続権は
いかないで済んだのですが。。。

 

たとえば
母一人に遺産を相続させたいのであれば

母と子ども2人とで遺産分割協議をして
財産全ては母が相続する、という協議を
すれば済んだことでした

 

または

子ども1人だけが相続放棄をして
残りの子どもと母で同様に
遺産分割協議をすれば

母だけが相続するという望みを
達することができました

 

でも、こうなっては
どんなに仲が悪かろうが

次の順位の相続人である兄弟たちと
手続きを進めていくほかに
方法はありません

 

 

相続順位は次のとおりです

第1順位  子ども

第2順位  尊属(親または祖父母)

第3順位  兄弟

☆配偶者は常に相続人

 

つまりは

第1順位の相続人が一人もいないときは
第2順位が相続人となり

第2順位が一人もいなければ
第3順位が相続人になるというわけです

 

本件の場合は

常に母が
その第2位順位または第3順位とともに
相続人となります

 

民法第887条
(子及びその代襲者等の相続権)

民法第889条
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

民法第890条
(配偶者の相続権)

 

 

ちなみに

法定相続持分は、
順位によってそれぞれ異なります

 

(法定相続分)民法第900条

配偶者2分の1・第1順位2分の1(子供間は平分)

配偶者3分の2・第2順位3分の1(両親いれば平分)

配偶者4分の3・第3順位4分の1(兄弟間は平分)

 

 

兄弟3人いたとしたらそれぞれの法定持分は
12分の1に過ぎませんが

一人でも合意してくれない人がいたら
名義を書き換えることはできません

 

相続放棄をするにあたっては
くれぐれもご注意ください