渡る世間に鬼は???

渡る世間に鬼は???

 

鬼もいます。神もいます。

で、今回は鬼に遭遇した話

勤務先の社長に騙されてしまった、という話です。

 

私たちは、基本的に他人を疑うのが苦手です。
無条件に信用してしまいがちです。
特に合理的な理由もないのに、最初から人を疑ってかかる人は少数だと、思います。

まったくの他人に対してさえそうなのですから、ましてや、相手が、
親兄弟、親戚、友達、上司あるいは部下だとしたら、
まさか彼らを悪人かも、と疑うことは難しいです。
これでは大層、脇が甘い、と思いますが、いかがでしょう。

 

人の善意を信じたい

 

人の善意を信じたいから、とか
疑ってる自分がいや、という、
たいていは、どちらかというと自分勝手な理由によります。

強いて事を荒立てたくない、というのもあります。
というか、ほとんど理由などは関係なく、「私たちはそのように出来ている」、
という感じさえします。

事情はそれぞれでしょうが、とにかく私たちは、
人を疑いたくないものではあります。

 

お世話になった人にご恩返し

 

たとえば

勤務先の、「信頼する、お世話になっている、結婚式の仲人もしてもらったし、頻繁に飲みにもつれてもらっている、全幅の信頼を置いている」社長に、

「銀行融資を受けたいのに枠がオーバーしてしまった、名前だけ貸してくれ
と頼まれました。

断れますか。

そもそも断るという選択肢さえ思い浮かばないかもしれません。

なにしろ、「騙されるかもしれない」、などという、
恩義ある人に対して失礼というか言葉にするのも恥ずかしい猜疑心などは、
自分でも認めたくないものです。

 

私で役に立てるのなら

 

困っている上司にお金を貸すことはできなくても、名前を貸すことはできます。

喜んで、お使いください、という感じでさえあります。
一つくらいはご恩返しができたか、という、軽い気持ちです。

将来これがどんな結果を生むのかについては、考えたこともありませんし、
社長もそれは説明しません。

なにしろ、貸すのは名前だけ、であって、
実際の返済等は、社長がすべて行うのですから。

 

ところがある日、連絡が途絶えた

 

さて、それから数カ月後、数億の借金を遺して会社は倒産しました。
社長は、すでに行方不明。

会社は倒産しましたが、名前だけを貸したつもりなのに、
「社長に頼まれて名前を貸しただけだ」、と主張しても通りません。
債務者の欄には、あなたが自分で書き入れたあなたの名前
はっきり残っています

子供ではないのです。
大の大人が、この社会で「名前だけ貸す」という行為があり得ない事を
知らない、では通りません。

恐いですか?

こうなったら、あとは裁判に期待するだけです。