死亡した父の名前で登記できるの?

既に死亡している父の名前で登記はできるのか

 

死者名義で登記ができる

 

事情によって、死者の名前で登記できることもあります

 

できるのは、お父様が生前に買った土地を
その死亡後に、
登記をする場合です。

 

たとえば、
2015年9月に隣地を購入。

売買代金の支払い完了
土地の引き渡しも完了

でも、

多忙であったために、
登記上の名義変更しないでいるうちに、
父が2016年1月、
急死してしまった!

 

という場合です

このような場合は、死者の名義で
登記をすることが可能です

 

登記に必要な書類は?

 

 

売主様の書類一式。

 

  • 登記識別情報
  • 印鑑証明書
  • 委任状
  • 登記原因証明情報

 

これは、通常の場合(生きている人が買う)
と同じものです

 

買主側の必要書類

 

  • お父様の戸籍謄本(死亡事項の記載あるもの)
  • お父様の除住民票(本籍の記載あるもの)
  • 相続人のうちのどなたかの戸籍抄本
  • その方の委任状

以上です

 

死者名義の登記ができないのは

 

できないのは、

 

たとえばAさんが今日、
土地を買ったとします

これを、自分の名前では
買いたくないので、
3年前に死亡した父親の名前で
登記をする。

ということはできません。

 

実体と異なっているからです。

 

実は、父親が亡くなる前に
その土地を購入してあった。

となれば、
それは
虚偽の登記ではなくて、
実体にあわせて登記をするだけなので、
全然、問題ありません。

 

ですが、

Aさんが買った土地は
Aさんの名義にしなければならないのに、

何らかの事情があるからといって、
亡くなった人の名前にすることは
できません。

 

まず。

 

所有権を取得したのがAさんで
売買された日付が
実際は今日であったとします

 

亡き父親の名義で登記をするためには、
父親の死亡以前の日付に
売買日を遡らなければなりません。

 

そのために。

 

売買契約書
領収書
ほかにも。

日付の辻褄を合わせるために、
一つの嘘を貫くために、
さらに
いくつもの嘘が必要になる、と
いうことになってしまいます
(これらの行為は刑法上の犯罪です)

 

実際にこのような偽りの名義変更が
行われる状況、
というものは
非常に考えにくいかも、
ですが、
念のため、お伝えしました。