放棄と土地国庫帰属制度

相続した土地を拒みたいときに
何となく似たようなものとして

相続放棄

相続土地国庫帰属法というものが
ありますが、

上記ふたつは、全く別のものです

 

ですが
イメージとしては、

先祖伝来の大事な土地、でも今となっては
有難迷惑的な土地を

結論として放棄できる、
(すなわち税金払わなくてよい草取りなどの面倒見なくてよい隣地との境界争いを続ける必要がないなど)
というイメージは似ているので
(あくまでもイメージであって微妙に間違っています)

ここを混同なさる方はおいでです

 

まず、簡単な方からご説明を。

相続放棄

 

家庭裁判所で相続放棄をすれば
その人は
そもそも最初(相続開始時)から
相続人ではないことになります

なので、この人が、

放棄してもかえって面倒になったときに
(管理義務やらなにやらで、自費で
相続財産清算人を選ばないといけないとか

せっかく放棄したはずなのに
あとで思いもしなかったことが
起こることがあるのです)

今度は
その土地を
国に帰属させる手続きを選択したい、

と思ったとしても
もうそれは手遅れというか
できない相談です

いったん放棄してしまったら、もう
国庫帰属法に頼ることはできません

 

相続土地国庫帰属法は、
帰属という言葉は一緒ですが

相続人が全員放棄などして
誰もいなくなったときに

相続財産清算人が
その管理の仕上げとして
遺された財産を国に帰属させる、

こととは全く別の手続きです

 

 

相続土地国庫帰属法

 

「相続土地・・・」というくらいなので

この申請ができる土地は、原則として
相続したものに限ります

まず、国に承認申請をして
しかるべき調査のあとで国が認めてくれたら
その土地を手放すことができる

という制度です

 

承認申請できる人は

 

  1. 土地を相続した人
    (相続登記は未了でOK)
  2. 土地の遺贈を受けた人
    (相続人に限る)
    (遺贈登記は未了でOK)
  3. 上記の人と共有してる人
    (共有者全員で手続きはする)
  4. 上記の人と共有してる法人
    (共有者全員で手続きはする)

 

以上です

 

つまり

この法律を使って不要な土地を手放せるのは
こういうことです

 

  • まだ放棄していない相続人等で
  • 条件のよい土地をもっている
  • 国がそれにOKを出してくれて
  • 決められた費用の納付ができる

 

 

 

この法律によって土地を手放したい
と考える人は多いですが

上記要件の内
特にネックとなりがちなのが

国の条件に合う土地かどうか
という点です

 

一言でいうと、身もふたもないですが

現在も将来も
面倒なことが起きそうな土地については
国は引き取ってくれません

しかも、ようやく認められたとしても
土地を国に帰属させる際には
費用もかかります

土地評価がそれほどでなければ
20万円ほどですが

宅地評価だったりすると、
わりと高額な費用が発生するわけです

 

 

そうなると
面倒がない良い土地で
国が引き取ってくれるほどの優良な
土地であれば

誰かに売却した方がよさそうです。

 

おそらく
どんなに条件が整っている
優良な土地であっても

買主を捜すのも簡単ではない
ということなのでしょうか

わかりませんけど。