抵当権、抹消しない方がいいって本当?

抵当権の抹消しないほうがいいって本当?

 

抵当権の抹消は簡単にできますか?

 

借りたお金の返済が終わったら、本当にひと安心です。
それが、20年30年の住宅ローンだったりすると、
非常にうれしいです。

 

でも、返済さえ終わっているので、いつでも担保抹消はできる、
と油断してる人はいらっしゃいませんか。

または、少し前だと、(ローカルルールでしょうか)
何かあるといけないから
抹消しないでそのままにしておく、という話もききました。

たぶん、誰かがその不動産に抵当権を付けたいと思ったときに、
先の順位で抵当権がついていると魅力が薄れるので、
(弁済ができずに不動産が競売にかけられたときに、順位番号の若い方が有利なので)
土地を守れる、とかいう理屈だと思うのですが。

ちょっと考えるとへんな話ですが、そのように言う人が、
かつてはけっこう、いました。理屈は未だによくわからないのですが。

とはいうものの、いつでもできる簡単な手続き(だから今はまだしない)、だとか、抵当権はやたらに消さないほうがいい(だから今はまだしない)、などの理由により、5年、10年放置しておく人がいます。

結果、「いざ、抹消登記をしよう」と思い立ったときに
簡単にはできなくなってしまっていることがあります。

 

こうなるとムヅカシイ・・・難しい・・・

 

1 不動産所有者の方が亡くなってしまったとき

 

不動産の名義を相続人に移転してからでないと、抵当権の抹消登記はできません。所有者の方の委任状が必要だからです。
(亡くなった人から書類はもらえないので)

ということは、すんなりと相続の相談がまとまらなかったとしたら、いつまでたっても抵当権はついたままです。

抵当権がついたままだからといって特段不利益はありません。
ただ、気分がさっぱりしないです。
また、抵当付きだと、銀行などは、基本的に、その不動産ではお金を融資しません。

 

2 抵当権者が行方不明になってしまったとき

 

抵当権者が個人であれば、その人から委任状などの書類をもらわないと手続きは出来ません。行方不明になってしまっていたら、さらにやっかいです。

やっかいですが、できないことではありません。

時間も費用もかかるということです。

 

3 抵当権者が死亡してしまったとき

 

抵当権者の相続人全員の委任状が必要となります。その方達全員の戸籍住民票も必要です。または、遺産分割協議をして、どなたか一人の抵当権にするのであれば、全員の印鑑証明書も必要となります

所有者死亡のときと同様に、相続の相談がまとまらないと手続きが進行しないこともあります。

 

4 抵当権者が会社であり、その居所がわからないとき

 

基本的には、解散してしまった会社でも、その清算人から書類をもらうことによって登記をすることはできます。が、登記簿も見あたらず、探しても出てこない、となったら、裁判で判決をもらって抹消するしかありません。

 

以上、いずれにしても費用と時間がかかります。

 

書類が調った段階で一日も早くお手続きをなさることをおすすめします。

 

具体的にはどうするの

 

  • 抵当権者が銀行等であれば、
    最後の返済が終わって数週間すると、
    「完済書類一式」というような封筒が郵送されてきます。
  • そこには、抵当権抹消登記用の書類一式が入っているはずです。
  • それをそのまま司法書士のところへお持ち下さい。
  • この中には、月日がたつと使えなくなる書類もはいっているので、
    速やかに手続きにかかりましょう。
    (詳細はその書類一式に書かれています)
  • 司法書士にご依頼の時は、印鑑をお持ちください。
  • 抹消登記用の委任状に、所有者の方の署名捺印をいただきます。