収入印紙、貼らないと無効なの?

 

収入印紙(しゅうにゅういんし)を貼らないことによって、
その書類が無効とされることはありません。

大丈夫です。

ですが、もしも貼らなければいけないときに貼ってないとしたら
脱税(!)ということになります。

怖いですね。

収入印紙を貼ることの意味

なぜなら、「印紙を貼る」、というのは、
そのことによって、印紙税という税金を収めることなのです。

どんな書類に貼ればよいのか

 

印紙税法上の、「課税文書」に該当する文書を作成した場合は、

  • 収入印紙を購入して、
  • その文書に貼りつけ、
  • 消印することによって、納税をします。

 

「収入印紙」

郵便局で買います。切手と同じ売り場で売っています。

額面が、1円から10万円まで、31種類が有ります。
高額の収入印紙が必要になるときは、
近所の小さな郵便局では足らないことがあるので、
事前に購入依頼をしておくと安心です。

また、コンビニなどでも扱っていることがありますが、少額のものがほとんどです。
文書作成のご予定ある方は、事前に購入しておくことをおすすめします。

「課税文書」

印紙税法第2条で定められています。(別表第1)

例えば、

  • 領収書
  • 売買契約書
  • 預貯金証書
  • 定款(ていかん)などです。

(この中に特例で、課税がされない文書というのもあります。)

なお、「領収書」という書面を作成すると、印紙税の納付義務がありますが、
銀行振込にした場合は、領収書の発行を省略できます。

「銀行振込の際は領収書の発行を省略させていただきます」
のような但し書きを、見かけたことがおありでしょう。

双方の合意があれば、領収書の発行を省略することに問題はありません。

そのようにして領収書発行を省略することで、
印紙を収めずに済ませることができます。

これは、今の所、実務慣行として認められています。

 

「売買契約書」の場合は、高額の印紙が要求されることがあるので、
原本を一枚だけつくって、そこに売主と買主で
印紙を一枚だけ貼ることもあります。

これは、
本来、買主売主それぞれ1枚ずつ、契約書の原本をほしいところですが、
高額の収入印紙を節約するために、
片方のみ(たいていは、買主)が原本を所持し、
もう片方(たいていは売主)がそのコピーを所持する、
ということです。
よく、契約書の特約欄にこの条文を見かけます。

また、同じく契約の特約で、
「印紙等の費用は買い主(売り主)負担」、と定めることもあります。

要は、この場合は、双方に義務はあるけど、
話し合いでどっちが納めてもいい、ということです。

これも、今の所、実務慣行として認められています。

「貼付義務のある人」

文書作成者です。

事務員さんが作成した場合は、その事務員さんではなくて、
その会社の代表者に貼付義務があります。

なぜなら、事務員さんは自分の名前を使って書類を作成してるわけではなくて、
会社名義の書類を、
たまたまその人が、
代表者の代わりに、作成してるに過ぎないからです。

 

「消印」

 

消印は、そのことによって、
印紙が再利用されることがないように
行います。

契約書等の捺印時に使った印を用いて消印するのが多いです。

印紙税法によって、消印義務のあるのは、文書作成者とされていますが
売買契約では、売り主か買い主誰か一人が押せばよいとされています。

また印鑑が署名捺印欄のものと相違していても大丈夫です。

文書と印紙の彩紋にかかるように(またがるように)押します。

印紙の真ん中に押したいですが、ここはがまんします。
それだと、文書にかからないので、納税義務を果たしたことになりません。

「貼り忘れ(過怠・けたい)」

貼り忘れたからといって、作成したその文書の法的効果に
問題が生じることはありません。

有効です。

 

貼り忘れをすると罰金が?

 

しかし、印紙税法上は、罰則があるので、ご注意下さい。(印紙税法20条)

正規の印紙税の額と、その2倍の金額の合計
(1万円貼り忘れたとしたら、計3万円!)

を徴収されます。

また、偽り、その他不正の行為などによって印紙税を逃れた場合、
逃れようとした場合などは、
1年以下の懲役若しくは、20万円以下の罰金またはこれの併科、

という罰に処されます。(印紙税法22条)

 

印紙貼りましょう。