分割協議は全員でする。
遺産分割は、全員で集まって
相談する必要があるものです
ですが現実問題として
全員が一堂に会することまでは
要求されているわけではなくて
一人ずつであっても、
電話であっても、
今ならzoom会議であっても大丈夫です。
書面を作成するにも
遺産分割協議書という名の
全員が同じ紙に署名捺印するスタイルでも
よいし
一人一枚の、遺産分割協議証明書を
全員分まとめても大丈夫です
ところで、
遺産分割協議が整わない理由として
そもそも
相続人全員がそろわないことが
あげられます
これでは
協議をするどころではありません
この場合、そろわない、と
ひとことで言っていますが
単純に
居場所がわからず連絡がつかない
という場合と
連絡はつくものの協力してもらえない
という場合があります
行方がわからない、ので話ができない
手を尽くして探しても分からないときは、
不在者財産管理人という代理人を立てて
(家庭裁判所に選任してもらう)
その不在者の代わりに管理人が
遺産分割協議書に署名捺印をします。
ですが、
遺産分割協議の内容についても
裁判所の許可が必要なので
協議内容は
一定の制限を受けることになります
つまり裁判所の意向に沿わない協議だと
許可がおりません
たとえば
長男がすべてを相続するという協議は
全員が同意しているのなら
全く問題はありません
が、不在者がいるときは
不在者の権利(法定相続持分)を
侵害しないことが重要なので
このままだと裁判所から
許可がおりません。
よって、
長男がすべてを相続する。
長男はその代償金として不在者に対して
法定相続分である○○円を支払う
などという内容で、
許可を求めることになります
話し合いを拒否されている
礼を尽くして話し合いをしようとしても、
生前の恨みや、確執からか、
一切の連絡に応じない人もいます
「俺抜きでやってくれ 関係ないから」
というものです
こうしたときは
弁護士を代理に立て交渉してもらうことも
アリではありますが、
おそらくそれでも埒はあかないと思われます
こうした時は
調停(遺産分割調停)を
申し立てることになります
相手方の住所地の家庭裁判所が管轄なので
何人か相手方がいれば、その中から
ご自分にとって都合の良い裁判所を
選んで申し立てることができます
(通常は何回か通うことになります。)
仮に調停が不成立に終わったとしても
そのあとそのまま審判に進むので、
何らかの結論は必ず出ます
基本的にすべての相続人について
それぞれの権利を侵害しない方向で進むので
長男がすべてを相続する的な結論は
よほどのことがない限り
出されることはありません。
寄与分や特別受益が認められなければ
原則として
法定相続分で分割されることになります
調停は、このように
「一切かかわりたくないから
そっちで勝手にやってくれ、」
というようなことを言う相続人がいる場合は
非常に有効な手段となります
何度かこのようなケースで
調停を申し立てたことがありますが
全て、そのまま
申立人の言い分が認められて
円満に終了しました。
お勧めです
番 外
これは
手続きが完了してしまってからの
問題ですが、手続き時には
関心の薄い方がおいでなので
あえて注意喚起の意味で。
協議の内容が
「遺産は全て長男が取得する。代償として
次男3男4男に対して、それぞれ
500万円ずつ支払う」 と決めてあったのに
それで1年前に登記も終わったのに
未だ、長男は言を左右にして
代償金を支払ってくれないがどうしたら?
というものです
これは悩ましい問題です。
こうなってしまう前に
何らかの行動をしておくべきでした。
長男が、自主的に支払わない場合は
民事調停を起こすか、
裁判を起こすことになります
へたをすると、時効にかかって
権利が消滅してしまうかもしれません。
長男にしても
いつまでも生きているわけではないし
ましてやお金もいつまでもあるわけでは
ありません。わかりませんけど。
千葉県茂原市の司法書士・行政書士です。お客様の、本音のニーズに応えられるような仕事を展開したいと思っています。 ご実家の土地の相続登記が終わってない、ローンを完済しているのにその登記を行っていない、昔、親が買った隣の土地の名義を変えてない、という状況の方は、お気軽にご相談ください。司法書士経験20年超のプロが、問題を解決いたします。お問い合わせは全国対応の片岡えり子事務所までどうぞ。女性スタッフによる丁寧な説明ときめ細やかな対応に定評があります。