代表取締役の住所を非表示に

株式会社の代表取締役などの住所の一部を
非表示とする法律が施行されます

2024年10月1日からです。

 

喜んだそこのあなた!!

実は、
それほど恩恵をうけられる制度ではない
かもでした

 

残念な理由

 

1 適用されるのは株式会社だけ

2 有限会社や合名会社は、適用なし

3 自動的にそうなるのではなく
それなりの申出が必要

4 非表示の申出だけ、はできない

5 登記の申請と同時にする必要がある

具体的には
会社設立、役員変更、役員重任
管轄外への本店移転
などの登記と同時に
非表示の申出をすることになります

6 非表示になるのは
住所すべてではなく、一部分だけです

非表示措置をうけたとしても、たとえば
「千葉県茂原市」 ここまでは登記簿に
載ってしまいます

珍しい名前の人だったりしたら
せっかく非表示にしても意味がないかも
しれません

7 登記履歴事項証明書を取得すると
非表示措置以前の住所が表示されてしまいます

アンダーラインで
抹消の記号が付されてはいますが
問題なく読むことができる仕様のままです

8 住所非表示の措置がされたあとで
その住所が変更になったときは
住所変更の登記が必要です(2週間以内)

非表示のままで「年月日住所変更」
とだけ登記簿に表示されます

9 別途、何か登記が必要になったときは
登記申請書には、代表者の住所を
記載する必要があります

もしも何回か引っ越しをしていたりして
登記所に届けてある住所を忘れていたら
登記申請ができません

10 申出さえすれば、即、措置が
適用されるものではありません

添付した書類の状況によっては
申出をしても
非表示措置がされないことがあります

 

 

特に上場されていない会社の場合は
添付すべき書類がいろいろあります

簡単に申出書さえ書けば済むことでは
ありませんでした

 

申出の際に必要なもの

上場されている会社と
それ以外の会社とでは
添付すべき書類が異なります

 

上場会社以外の会社

a  株式会社が受取人として記載された
配達証明書・郵便物受領証

いずれも登記された商号・本店所在地と
同一の記載がされたもの

これが、一番重要なものです
会社の実在性を証する書面です

b  代表取締役の住民票または戸籍附票
または印鑑証明書

c  実質的支配者の本人特定事項を
証する書面

資格者代理人(司法書士)が
犯罪による収益移転防止法に基づき
確認を行った実質的支配者の
本人特定事項に関する記録の写し

以上3点が求められています

 

上場会社

 

この場合は
上場されていることがわかる書面のみで
足ります

具体的には
その上場にかかる情報が記載された
金融商品取引所のホームページの写し等
です

なお、この書面に会社の押印、奥書等は
不要です

 

端的に言って

面倒な割に
中途半端な制度だと思います