そもそも調停とは?

調停とは?そして調停委員とは?
そもそもどういうものなのでしょうか

 

調停とは?

直接当事者だけで話し会うことが困難な
人達が、調停委員を間において
合意による解決を目指すという
システムです

 

調停委員とは?

法律上、非常勤の国家公務員という身分を
与えられていますが

要はふつうの民間の人です。

 

リタイアした人もいますが
現役の弁護士・司法書士・税理士
行政書士などいろいろです。

社会的経験と知識がある人、と
されています。
引退した公務員、教員も多い印象です

 

何のための調停委員?

調停手続きになったということは
当事者間で話し合いがつかない、

または話し合い自体ができない、
ということです

直接話し合っても解決できなかったから
誰かに間に入ってもらう
それがこの場合は
調停委員というわけです

通常の話し合いでも
当事者間で話がつかないときに
第三者が介入するだけで
するすると話がまとまるということが
あります。
要はそんな感じです

 

調停のしくみ

 

調停は

当事者同士が直接話し合うのではなく

まず調停委員に対して
言いたいことを主張し

それを調停委員が相手側に伝える

という作業を繰り返すことによって
双方の合意を目指す手続きです

原則として
申立人と調停委員が話をし、
20分から30分で交代して

次は相手方と調停委員。
また、しばらくして交代して。。。

というように交互に調停は
進んでいきます

 

なので、相手側に対して
直接がんがん主張していく、のでは
ありません

調停委員を介して
言いたいことを伝えてもらうわけです

調停委員にがんがん言いたいことを
言っても、それをそのまま相手方に
伝えたのでは、調停委員ではなく
ただの子どもの使いです。
だから、そのようなことはありません

とうてい人に聞かせられないようなことを
忖度なく主張したとしても
調停委員はそれらをソフトな衣でくるんで
先方に届けてくれます(たぶん)

この話術というかテクニックが
調停の成否をわけることもあります

 

というわけで基本的には
調停手続きで直接他の当事者と
顔を合わせることはありません

意見を同じくするなど
同じグループであるなどすれば別ですが

裁判所が仲の悪い人たちを
同席させることはありません。

待合室も別です

帰り道など、動線にも配慮してくれます

 

事故(刃傷沙汰のこと)がおこることが
怖いので

相手方と絶対会いたくない、と
事前に明言しさえすれば
それなりの対策をとってもらえます

つまり、調停では相手側と直接会う機会は
ほとんどありませんが

毎回少なくとも調停委員とだけは
必ず顔を合わせ、話をすることに
なるわけです

気が合う人だとよいのですが。

 

ちなみに
調停を申し立てるにあたっては

山のような書類が要求されます

たとえば、遺産分割調停であれば
被相続人や相続人全員の
戸籍等や住民票も必要ですし

遺産の総額を算定するに必要な資料も
そろえなければなりません
具体的には、不動産の登記簿謄本や
評価額証明書、預貯金の残高証明書など
必要に応じていろいろ必要です

しかも、申し立てる側であれば
相手方の分の資料も必要になります
人数分のコピーを取ります

印紙代こそ少額ですが
(たしか家事調停は1200円)
相手方の数に応じて
切手代がかなりかかります
(予め多めの切手を預けておくシステムです)